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私達を乗せたバンコク・エアラインズの飛行機はぐんぐん下降している。

飛行機が下降するときの、あの「フワっ」とする感覚が、大嫌いだ。
しかも、ここまでの道のり、乱気流かなにかで、かなりゆれた。
あんまりゆれるので、持っていたりんごジュースを膝にこぼしてしまった。おかげさまで、ほとんど寝れなかった。

他の人は、調子よくビール→ワインといった具合で、
機内を楽しんでいる様子。私は、ヘッドフォンをつけて、映画を見て、
なんとかごまかしていた。頭が痛かったので、お酒は飲めなかった。

下降する飛行機の窓から、田園風景が見えてきた。
それが、ものすごくきれいだ。
おお、タイに来たんだ、と思った。

バンコクの空港は出来上がったばかりで、とてもきれいだった。
こんなわくわくする空港は、アムステルダムの空港以来だ。
空港に、お迎えのリムジンバスが来た。
12人なのに、40人乗りのぴかぴかのボルボのバスだった。

空港からバンコク市内までの高速道路も、できたばかりらしく、
とてもきれいだった。途中に何回も見る、巨大な看板は、
日本製品をうたうものばかり。
それでも、最初に見た「ウエルカム トゥ タイランド」はかっこよかった。

市内に近付くにつれ、人々の生活が少しずつ見えてくる。
タイは、まだまだ発展途上国。
貧富の差も、とても大きい。
なんていうか、戦後と現代がいっしょくたになっている。
最新の電気製品の広告の下に、ほったて小屋のスラムがひろがる。
大渋滞の道、車とバイクをうまくよけ、花を売る少女がいる。
ノーヘル3人乗り。
そこらじゅうでぐうすか寝る犬。
犬をまったく気に留めない通行人。
屋台を準備する人達、ものすごいぎりぎりで割り込みしてくるボロ車。
最近はベスパが流行りらしい。
あちこちで壊されているビル/立て替えられているビル。
なんか、町がパワフル。

そうこうしていると、nana駅付近のホテルについた。
ホテルのフロントのお兄さんが、とてもきれいにお化粧して、
ながーい着け爪をして、きらきらのリングをつけていて、
腰をクネクネさせながら歩いているのを見て、なんか胸がときめいた。
フリーダム。

夕食の時間まで、妹とBTS(モノレールみたいなやつ)に乗って、
バンコクの原宿(と、妹が言っていた)に出かけた。
そこは、バンコクのシャレた若者が集まっていた。
タイに売っている日本語タイ新聞によると、タイの女子中高生の間で、
下着を着けないこと(&陰毛を染める)が流行っていることに対し、
国が対策をとっているらしい。すげー。

朝から移動で疲れ果て、タイを楽しむ余裕がなくなった時、
私は目の前にあったダンキン・ドーナツに入ってしまった。
こういう時のために、マクドナルドやスターバックスがあるのかもしれない。
そこで、全くタイとは無関係のドーナツとエスプレッソを飲んで、復活。

夜は、初のタイフードに、舌鼓をうったのであった。

ネコニャン

外国は、ヨーロッパしか行った事がない。
ずっと行ってみたかったアジアに、行ける事になった。
しかも、家族と、仲良しのみなさんでわいわいと。

行き先は、タイ。
ぎりぎりまで仕事をして、いったん広島へ。
広島空港から、タイの直行便に乗るのだ。
タイと日本の時差は2時間。飛行機で、6時間。
タイへ行くための下準備をする暇もなく、大急ぎで、
東京→広島→バンコクと、なにがなんだかわからない始まりだった。

わかっていたことは、タイは暑いということ。
だから、広島で日本国民がみな買うサンダルを買って、
無印良品でタンクトップを買って、
短く切ったジーンズは持ってくるの忘れたから妹に借りて、
も−何回も読んだ村上春樹の文庫本を2冊、下痢止め、頭痛止め、
日焼け止め、お金、それとパスポート。
パスポートなんて、月曜に出るというのに、前週の金曜日に受け取った。
まさに、前日のぎりぎりセーフというやつだ。
そんなこんなで、私にしては身軽な旅立ちだった。
タイの町を歩くだけでいいと思っていた。

そして、写真は出発前の早朝の広島空港での一こま。
わくわくして、人の「タイ/るるぶ」を勝手に読むわたし。
出発前には、いつも帰った時のことを想像する。
あと5日後には、ここに戻ってくるんだなー、と。
でも、まだまだ5日もあるのだ。
とにかく、寝不足だから飛行機の中で寝よう。寝れないんだけど。

そんなこんなで、みんな平和に、ただ、出発を前にわくわくしている。
この写真はそれをよくあらわしている。

さあ、タイへ。
搭乗が始まった。

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ネコニャン
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