確か「ブエノスアイレス事件」の感想文の時も書いたけれども、白水Uブックスの古い装丁が大好きで古本屋で見かけると必ず手に取ってしまう癖もあり、吉祥寺の百年という古本屋で買ってしまった。自宅で読んでいたら、最近他人のものを奪う習性が芽生えてきたN2Kに略奪されてしまったので、写真に撮ってみた。こうして見ると、間抜けな豚の落書きみたいな絵に「オートバイ」とあり、なんとも微笑ましい本に見えるけど。

レベッカという人妻が愛人から結婚記念に贈られた1200ccのハーレーダビッドソン(イージーライダーのようなアメリカンではなく、前かがみで乗るヨーロピアンタイプかと思われる)に跨り、いつでもその身を愛人のもとに投げだせるように黒皮のつなぎスーツの下はパンティのみという姿で愛人の元へ疾走するお話で、とても今のN2Kには語れない話だった。

主人公と愛人のSM的な関係が明るみになる回想や、オートバイを自分を愛人に届ける女衒に例えて、最終的には黒い悪魔として一体化するってところからはヘルズエンジェルスな神秘主義的な志向も感じるか。そういうものが渾然一体となってアウトバーンを疾走するわけで、そのスピードの裏側にある死のイメージとも相まって、エロ!って感じでした。文章も格好いい。

個人的には、なんとなくアメリカ的な乾いた雰囲気に比べて、こういうヨーロッパの湿った雰囲気は、少し痛々しいというか恥ずかしい気にはなるけれでも、ロック入門がSUEDEであった僕は、やはりどうしてもその魅力にも抗えない感じがあった、とかなかったとか。

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「ついに俺もピンチョン。。。」と思い、巷では一番分かりやすいと言われているこの短編集を読んでみた。

だけども、感想をかける程、理解できていない。こういう時なんだか凄い無力感に襲われる。まだ印象に残っているのは「低地」「秘密のインテグレーション」。でも、これらの面白かったぁといえるほど、のめり込んでないし理解できてない。。

「秘密のインテグレーション」は後書でも訳者に書かれてしまっていたけど、大衆紙を意識しすぎた逆に分かりやすすぎる内容で、これはこれで物足りない。でも、子供時代の瑞々しい感じはするけどね。

「低地」は、何が面白かったと説明することはできないけれども、主人公が最後にたどりつくゴミ捨て場のイメージがなんだか面白かったってくらいかなぁ。。

実は「競売ナンバー49の叫び」も買ってあるんだけど、どうも手に取りにくい。。

あと、この「スロー・ラーナー」をブックオフで買ったら中身に写真が入っていて、研究室?のようなモニターが並んでいる場所での男女の写真でした。心当たりのある方はご連絡を。ぶっちゃけ勝手にストーリーを組み立てて、勝手にセンチメンタルになってました。すいません。

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