秩父

2006.1.29[Sun]

昨日少しだけ遠いところに遊びに行きたいねとカフェオレを飲みながらあいちゃんと話をしてそれで西武池袋線で行ける一番遠いところ秩父に行くことにした。

ゆっくり走る電車に乗ってみかんを食べたり朝阿久津くんが作ってくれた焼きおにぎりを食べたりしながら特に何かを話す訳でもなく本を読んだり時々眠ったりしてたら秩父に着いた。

それから少し歩いてお花畑という駅に行き一応の目的である三十槌のツララを見るためまたローカル線に乗った。
私たち以外他に乗客は数えるほどもいなくて一つ一つ駅が過ぎる度辺りはどんどん山深くなって色の落ちた風景が窓越しに広がり外からの細い光が明るいあいちゃんの髪を薄く照らしたりした。

ツララは寒さとか水の落ち方とかそういうことが別に特別なことでなく重なり合って出来ていてそう思うとより瞬間的に感じてきれいに見えた。

ほんのちょっとだけ遠くて知らないところに行くだけなのにいつもの日曜日とはなんだか違って時間も空気もゆっくり流れてるような気がした。それがもし私の思い込みだとしてもそんな風に感じられるならまた少し遠い場所を探してみたいと思う。

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ビデオ

2006.1.28[Sat]

8人の女たちというビデオを借りてきて観た。

8人の女性それぞれがとても強くて毒々しくて華やかで図太くて持ってる秘密がみんなえぐくてすごく面白かった。

秘密を吐き出す時に歌う曲の振り付けが全部どこかアンバランスなのも『普通』からずれた妻、子供、妹、祖母、メイドという存在を強調してるみたいでおかしい。

エマニュエル・ベアールが男を誘惑する方法を教えて欲しいと言われて
「セクシーさは学ぶものじゃない。あるか、ないかよ。」
とまさに持ちたる者の色気を放ちながら言っていた。

エマニュエル・ベアールにしろカトリーヌ・ドヌーヴにしろ本当に格好良くて結果だけを見れば悲惨な結末なのにさっぱりとした爽快さを感じるのはあの8人の女たちが自分を完全に割り切った上で堂々すぎる程堂々としてるからだと思う。

1人だけでもう充分な迫力が8人集まった強烈さ。
貫禄あるなー。

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そと

2006.1.26[Thu]

仕事で法務局に行く用事があって九段下まで行って来た。

仕事中に外に出かけるのはとても楽しい。今日はそれに晴れてたし見慣れない場所の見慣れない通りや見慣れない建物、光りに反射して重く澱む緑の川もみんな柔らかく綺麗に見えた。

途中はんこを買いに立ち寄ったタバコ屋なのにはんこも売ってるお店にミーコという名前の黒い首輪を付けた白い猫がいて膝に乗せて頭を撫ぜると日向とほこりの匂いがして前うちで飼ってたクロを思い出した。

最近少し忙しくて頭の中がぐるぐるしてたからこんな風に自分のペースで何にも考えないで歩くのは仕事でも目線が変わってゆったりと気持ちが動くのを感じた。

今度は休みの日にゆっくりどこかに行ってみよう。

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映画

2006.1.25[Wed]

博士の愛した数式という映画をあいちゃんと観て来た。

昨日から日本の映画でそこそこ感動出来てでも後まで引きずるような余韻のないただ目に映すような映画が観たいと思っていた。

映画は一番後ろの席で観るのが好き。暗いし後ろは誰もいないからどんな格好をしてもいいし一人ってことを公然と楽しめる場所でコーラを飲んだりおかしを食べたりしながら映画を観てるとすごく気持ちがさっぱりする。

博士の愛した数式はすごく静かな映画でセリフがみんな優しいと思った。80分しか記憶がなかったらやっぱり私もゼロになるんだろうか。

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仕事

2006.1.24[Tue]

会社で何も分からない私に一から教えてくれてずっとお世話になってきた人が今日辞めてしまった。

細くてキレイできっと自分だけの世界が完全にあって、でも仕事は男の人以上に出来るはなぶーといつも明るく笑って面倒な仕事でも難しい人といる時も楽しくその場を和ませてくれるあずさん。この二人と私は経理室で一緒に仕事をして来た。

でもこの間はなぶーが会社の事情で別の所に突然行かなくてはいけなくなってその時もかなり動揺したけど、今日またあずさんまでいなくなってしまった。

私はあずさんの泣き顔を見るとどうしてもつられて泣いてしまう。
はなぶーがいなくなった時も顔をぐしゃっとさせて何も飾らずに
子供みたいに泣くあずさんはとてもまっさらでとても愛しくて、泣かないと思っててもあずさんの素直な感情は簡単にそんな私の気持ちをどこかにやってしまう。

二人がいなくなって改めて私は素敵な人たちと仕事をしてたんだなぁと思った。二人の新しい生活が今まで以上に楽しくて幸せで嬉しいことがいっぱいあればいいと思う。

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巣鴨

2006.1.22[Sun]

イングワの岡くんと星くんあいちゃん、阿久津くんと新宿
のタイ料理屋さんでランチを食べた。

ここはあいちゃんおすすめのお昼によく行く何を食べても美味しいお店ということで私はスペシャルランチ、豚のタイ風生姜焼きを食べた。どこがタイ風かはよく分からなかったけどそんなにこってりしてなくて美味しかった。
みんなは辛いものを選んでたから汗をじわっと流しながら食べてたけどどれも美味しそうだった。

その後出張で大阪から東京に来る友達に会いにみんなで巣鴨に行って来た。
途中名古屋に帰る星くんを東京駅まで見送りに行って行き交う人が振り向くくらい、ほしくーんばいばーいと口々に大声で叫んで見送った。
あいちゃんが広島に帰る時は電車の前でクラッカーを鳴らしたし、こうやって見送ると淋しくなりがちな見送りが一転見送りきったという充足感で晴れ晴れとした気持ちになる。

星くんが帰った後巣鴨でその友達と合流し石焼ビビンバが美味しい韓国料理屋さんに行ってきた。ビビンバと一緒に頼んだお鍋はすごく辛くてまたみんなふーふー言ってたけどトッポギっていうおもちも食べれたしとっても美味しくて楽しかった。

今日は寒さが少しだけ薄れるような辛いものをいっぱい食べて普段あんまり行かないところに行ってのびのび出来た。

でも辛いものは当分いいかな。

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高円寺

2006.1.21[Sat]

楽しみにしてたキルザのライブに行って来た。

昨日から降り出した雪が今日になってもいっぱい降ってて朝「すごい雪だよー!」っていうあいちゃんからの電話で窓を開けてみるとベランダにも屋根にも道にも真っ白な雪が沢山積もってて一気に元気になった。雪はすごく好き。

それからライブの時間よりもちょっと早めに家を出てあいちゃんと高円寺で洋服をみたり帽子をみたりバックをみたりしながら手をつないで雪道を歩いた。雪のせいであんまり人もいなくて傘をくるくるさせながらザク、ザクと踏まれてない綺麗な雪を踏んで歩くのがとても嬉しかった。

キルザのライブはもう本当に楽しくて見てるだけで笑顔になるすごくいいライブだった。
キルザのライブは少し切なくなる時とかかっこ良くてわぁって感動する時とかすごく気分が上がる時とか見る時によって感じ方が違うんだけど、今日はただただ楽しくてずっとぽんぽん跳ねてるようなライブだった。

その後みんなで行ったお好み焼きも本とに楽しかった。
お好み焼きはいっぱいの人と食べれば食べるほど美味しいな。

夜中のこと

2006.1.19[Thu]

寝たのがまた遅かったから多分朝に近い夜だったと思う。

眠っていたらぽんと猫がベットに飛び乗ってきた。
くんくんと布団を押して中に入りたいという仕草をするから布団を開けても中には入らず、足元の方に行きそれからベットをとんと降りた。あれ入らなかったんだ…あれうちで猫飼ってたっけ?と思った瞬間ぼんと金縛りにあった。

中学生の時も私は生きてない黒猫を見た。学校から帰って自分の部屋を開けると大きな出窓から薄い光りが差し込んでいてそこに日向ぼっこするみたいに大人の黒猫が座っていた。あれうちで猫飼ってたっけ?と思った後の記憶は曖昧だけど、何となく生きてるものとはま逆にいる感じがしたのを覚えている。


こっそり禁煙を始めて3日目。胸とか心臓とかそこら辺が痛いから始めてたけど、今日あいちゃんが来て巻き煙草をくるくる紙に巻いて作ってくれたから吸ってしまった。おいしかった。
巻き煙草なら平気かな。

それから二人で料理を作ってたまに踊ったりしてテレビを見てたら速水もこみちが出てて身長が186cmと言っていた。
岡だって同じ身長なのに。わーんってあいちゃんと二人で泣き真似しながらお腹いっぱいご飯を食べた。

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連休終わり

2006.1.9[Mon]

今日が13連休の最終日。ぼうっとしてる時間の方が長かったけどそれなりに色んな所に行って久しぶりに会う人に会ったりして楽しい休みだった。

夕方夜近く忘れ物を届けに岡くんが来てくれて部屋の掃除とか手伝ってくれた。それから近くの居酒屋に行ってご飯を食べながら明日の仕事のこととか思い出して軽くブルーになったり出会った時の話しをしたりした。

岡くんと出会って9年。結構長いな。会った時に仲良くなれそうと思ってもあんまり続かなかったりそう意識しなくてもずっと関係が続く人といて不思議。

これから一体私にどんな出会いがあって長く繋がっていくものかその時だけの過ぎるような出会いかそれは分からないけど出来れば全ての出会いが少しでも長く続くものであればいいなと思う。

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深夜何気なくテレビを見ていたら『大島案内ひきうけ会社』という旗を持った体操着姿の小学生4人が観光客らしき人達に納骨所や風の舞といわれる場所を説明しているところが映った。

その子供達は納骨所の説明の時も風の舞と呼ばれる場所を説明する時も「入所者」という言葉を何度か使っていて、宗教か何かの話しかなと思って見てたらそれは大島の療養所に隔離されていたハンセン病患者のことを指していることが分かった。

『大島案内ひきうけ会社』の子供達をひざに抱いたり、一緒に畑仕事をしたりしている患者のおじいさんがその子供達についてとても愛しそうに語り、でも前はこうじゃなかった子供達を見かけたら隠れて逃げたと言った時、ぽたっと涙を一つこぼした。
まばたきをしたら見逃してしまいそうなその涙をこの人は何度落としたんだろう。

知るということは本当に難しい。でも知らなかったで済まされないことがある。知らないならばせめて想像力を持ちたいと思った。

http://www.jrt.co.jp/tv/ohayo/2001/0607.htm

あーちゃん

2006.1.1[Sun]

家族と一緒に年越しをしなくなってどれくらい経つだろう。

両親が仕事で年末宇都宮にいることがなくなってからはずっとお正月が嫌いだった。お正月なのに誰もいない家に帰るのが嫌で大晦日は必ず何かしらの用事を入れて楽しいふりをしてたけど本当はいつも居場所がない感じが抜けなかった。

でも今年は何年ぶりかで両親が宇都宮にいるということだったから、あーちゃんも呼んで家族みんなで前みたいに年越しをしようと言っていたけど、あーちゃんの具合が悪くなって入院してしまったからお母さんと二人あーちゃんの病室で大晦日を過ごすことになった。

高校を卒業してから3年間ほぼあーちゃんと二人だけで暮してた時期があった。
すごくお洒落でいつも綺麗にマニュキュアを塗り洋服も箪笥に入りきれない程持っていて、私が煙草を吸ってるところを見つけると、お母さんに言わないから1本よこせと言って一緒に煙草を吸うようなあーちゃんちゃんとの生活は本当に楽しくて、猫とあーちゃんと日向ぼっこしながら昼寝なんてしてるとこのままずっとこうしていられたらいいのになぁと強く思うことが何度もあった。

あーちゃんちゃんは何とか持ちこたえてくれて、話しも出来るし歩くこともよろけはするけど出来て、病室ながら紅白を見たり昭和歌謡ショーを見たりしては一緒になって楽しげに歌を歌っていた。
 
温かさで曇った窓ガラスを見ていたらお母さんが、きっとずっと忘れられない大晦日になるね。とあーちゃんの背中をさすりながら言った。

そういえば私はおばあちゃんをおばあちゃんと呼んだことがない。
おばあちゃんなんて年寄りくさくてやだからおばあちゃんのあを
取ってあーちゃんと呼んでと言われてたからだ。
あーちゃん。いつまでもずっと元気でいて。

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「山口瞳のコーヒー飲めない」

山口 瞳

山口 瞳
文章・写真担当

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